ヘッドフォンで悩む

遂に俺も昨日付けで年齢の下一桁カウンターが0に戻りました。
想像以上に面白くない体験でした。
誕生日だというのに、しかも世の中のヒトは3連休の初日だというのに、仕事。
それもid:naritaro:20040911で書いた大揉め仕事の仕上げ。
これ以上揉め事起きないよう、最新の注意を払って仕事を流しました。
流しました、というのが適切で、それは相手先も同じ。
こういう仕事ほど、やってて辛いことはないです。


そんな昨日のことは忘れて、今日は連れと秋葉原へ。
人様から誕生日プレゼントなんてもらえる身分じゃないんで、自分で買おうかと。
iPodも復活したし、接触が悪くなってきたヘッドフォン買い替えに
ターゲットを絞りました。別に秋葉じゃなくても良かったんだが、
連れが新しいモニター買いたがってたし、秋葉にはヘッドフォン聴き比べられる店も
あるという話を2chかどこかで聞いたので。


ちなみに、今まで使ってきたのはaudio-technicaのATH-F55*1
実勢4000円程度の安かろう、悪かろうな音質のハズです。
購入理由も、同じモデルがカントリー娘。石川梨華(モーニング娘。)
のPV(確か『BYE BYE 最後の夜』)で使われてたってだけだし。
重低音はある程度ずっしりきますが、中音域はけっこう絶望的。
いわゆるドンシャリサウンドで、メタラー向け?
今回は以下のような条件で探してみました。


・予算は1.5〜2万円程度
・通勤時のiPod使用を念頭に置いてるので、密閉式で携帯にすぐれたもの
・聴くジャンルはJ-POP/POPS/ROCKがメイン
・パワーはある程度捨てて繊細な音が得られるもの
・虚栄感も満たしたいのでできれば知る人ぞ知る的なものがベスト


連れがモニター物色してる間に、
秋葉原で品揃えが比較的豊富で視聴できる店を二軒ほど発見。
さっそく検討に入ります。が……。
ここで大事なことが発覚。行く前から有力候補だったBOSETriPort*2がどこにもない!
オーディオ有力店ならどこでも視聴できると思ってたら、そんなに甘くはなかった。
ラオックスとかで店員の目を盗みながら調べたところ、
秋葉から一番近くで視聴できるのは、銀座のApple Storeになるらしい。
銀座かよ……。(でも、末広町から銀座線一本で行ける)
ってことで、電車に乗って銀座まで行っちゃいました。
この時点で連れと約束してた合流時間は見事に反故になり、
あとでめちゃ怒られました…当然か。


さてそんな細かい話は置いておいて、最終的には以下の3点が候補として残りました。


1.BOSE TriPort ¥20790
 わざわざ銀座三丁目まで行って聴いてきましたよ。実はヘッドフォンを買い換えようと考えていた時、なんとなくいいなぁと思っていたのがこのヘッドフォン。デザインがおしゃれで、折り畳みできないのは痛いけど140グラムと非常に軽量。さらに、BOSEというメーカーに対する先入観、機器が小さくてもしっかり音を鳴らす、小さい音でも非常にパワフル、といったイメージがあったので、自分の中ではかなり有力候補でした。
 だからこそ銀座まで足を運んで聴いてみたのですが…。結果的には真っ先に候補から削られることになりました。もしかしたら、視聴機のiPodに入っていたデータが良くなかったのかもしれませんが、自分が聴く限り、サウンドが非常に平坦な印象を受けました。確かに重低音のパワーはあるのですが、率直に言ってしまうと、それだけ。中・高音域はフラットというか、べったりした印象で、まったく立ってきません。これはパンク・ロックのジャンルだけではなく、管弦楽器を多用したクラシック的な音楽でも同様でした。決定的だったのは、密閉感の無さ。俺の頭とは合わないのか、耳とフィットしてはいるのですが、外からの音もけっこう聞こえてきて、電車での使用に不安を覚えました。
 あとどうでもいい話ですが、どこに行っても売り切れご免のiPod miniApple Storeでは山積みになってました。あるところにはあるというか、渋谷・新宿あたりの量販店にもっと卸せよ。


2.SENNHEISER HD270 Control*3 ¥18000程度
 秋葉で視聴したなかでは、後述のAKGと最後まで購入を迷ったヘッドフォンです。聴いてみると、重低音が非常にパワフルでいながら、中音域・高音域の出力も確かで、重低音に押しつぶされるようなこともありません。TriPortで感じた低密閉感もない。どうでもいいことですが、ドイツのメーカーらしい質実剛健なつくりも好印象。愛想の無いデザインが逆に魅力的に思えました。
 ただ、最後の最後で購入をためらったのが、重低音と中音域の干渉具合。曲によってはあまりにも重低音がパワフルで、その分中音域がやや押しつぶされている印象がありました。高音域はきれいに出ているので、中音域のもたつき具合が余計に気になります。まぁ、これはこれでハイキーなトーンというか、白黒はっきりしたサウンドが好みな人には逆にいいのかもしれませんが。
 そしてTriPort同様、このモデルにも致命的な欠点がありました。2万円するヘッドフォンにしては、コードのつくりがチャチすぎます。コードとヘッドフォンの接続部分のサポートがまったくなく、視聴したヘッドフォンも接触不良になっていました。扱いが雑な俺にはこのヘッドフォンは無理です。


3.AKG K171 Studio*4 ¥15540
 さんざん迷いましたが、今回はこのK171と心中することになりました。視聴して一番に思ったのが、奥行きの深いサウンド。ホールで鳴らしているような立体感がすごくありました。重低音はかなり力弱いと思います。ただ、重低音がダメなせいもあってか、中・高音域の再現性がすごく高く感じました。密閉感も、今回検討したヘッドフォンのなかで一番あったと思います。BOSEのQuietComfort2ほどではありませんが、遮音性もそこそこ高いのかなという印象です。
 SENNHEISERで触れたヘッドフォンとコードの接触部分も考えられていて、しっかりしたつくりになっているだけではなく、簡単に着脱ができるようになっています。デザイン性も高く、何よりコンパクトで携帯することもできそうです(コンパクトといっても、普通のヘッドフォンよりは幾分コンパクトかなという程度なのでデカイことはデカイです)。


そんなこんなで予定の時間を大幅にオーバーして、ヘッドフォンを購入。
待ち合わせ場所の駐車場に大急ぎで戻ると、怒りを通り越してあきれ顔の友人たちが。
モニターも無事購入できたようなので、誕生日祝いを兼ねてサイゼリアで食事。
しかしまぁ……いいんだけど……。
三十路のお祝いがサイゼかぁ……おごってもらったんだが。
一人で2000円近く食いまくった当事者の言うせりふじゃないですね。


ヘッドフォンの後日談はまた近いうちに。